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連続釣行日数35日間     

 
 
管理釣りでもダムでもへら鮒(ヘラブナ)を釣るのが大好きな茅春です。春の乗っ込み時期になると気持ちがソワソワして仕事が手に付かないのは今も昔も変わりません。
特にダム湖の乗っ込み。これはもう人間を変えてしまいますね。仕事や家族のことなど一切忘れさせる麻薬みたいなものです。飛騨に移り住む前は毎週ナイター釣りを楽しむために相模湖へ釣行したものです。
さて東京から飛騨に引っ越しした13年前私は妻に言いました『これから先今まで通り相模湖には行けないだろう。だから今回は気の済むまで釣りをやらせてくれ!』妻は黙ってうなずきました。一度言い出したらきかないと知っているからです。内心妻は一週間もしたら帰ってくると思っていたに違いありません。しかし次の日から35日間家に帰ってこないとは思いもよらなかったのです・・・
 
13年前の3月終わりに相模湖の釣り船宿柴田にいました。当時からここの釣り会に入会しており居心地の良い釣り会なんです。これぞ釣り船屋のオヤジと思わせる社長。そして陰で支えるおかみさん。若旦那のカズちゃん。その当時の船頭さんのまーさん。会友も皆優しい人達ばかりです。どの釣り船宿にも初めて行くときは緊張するものです。なぜなら必ずと言ってよいほど生臭いオヤジ連中が桟橋でとぐろを巻いてるからです。いつお風呂に入ったかどうかわからない風貌に目つきも悪い。しかし一度話しかけると凄く親切にポイントや釣り方を教えてくれるのも相模湖の釣り師なんです。まあ相模湖に限らずヘラ釣り師はそうだと思いますけど。へへ
 
舟に荷物を積んでナイターの釣りをします。夜は雨よけにシートをかぶせます。舟にやぐらを組んでシートをかけて釣りをするのです。馴れると快適そのもので寝袋にくるまって船底で仮眠を取るのも気持ちが良い。
さて釣果の方ですが一日目も二日目も釣れません。3,4,5,6,7,・・・坊主です。8,9,10日と坊主の日が続きました。相模湖で坊主は馴れてるんだけどさすがに悔しい。半場やけくそで釣り続けました。二週間が過ぎ三週間が過ぎる、そして一ヶ月が経っていました。正確には35日間連続ナイター釣りをしたけど丸坊主という結果で終わったのです。35日間一枚の型ものが釣れないのも珍しいけど釣り続けたということも我ながら呆れちゃいます。確かにその年の4月は私だけでなく全体的に絶不調であったことは確かだけどね。ハハハ
35日間は釣れなくても楽しかった。今は亡き船頭のまーさんに付いて型物釣りのイロハを教えてもらった。ポイントの見方、餌、仕掛け、天候や水温によっての釣り方。一度こんなことがあったな。まーさんが私に『型ものを玉網を使わないで手のひらで掴んで掬い上げるんだ』そう言った。私はその言葉が信じられなくていたんだけど実際にその現場を目の前で見たことがある。型ものとやりとりをしてヘラを水面に顔を出させた後、左手の手首まで水面の中につける。スルスルと型ものを引き寄せ水の中につけた手のひらで型もののお腹を掬い上げる。まーさんは目を丸くしてる私に向かってニヤリと笑っていたのを今でも良く覚えています。このお世話になったまーさんは後に病気で亡くなりました。釣りの腕だけではなく人柄も大好きだったな。
 
ところで35日を過ぎてから一度家に帰りました。家族みんなが一斉に私を見た瞬間まるで亡霊を見るような目つきだった。
それから三日後の五月の10日ごろだったか、こりもせずに家出同然で相模湖に行った私。あれだけ釣れなかった相模湖は不調は好調に変わり一晩で8枚の型ものを釣り上げ、連続6日間絶好調で型もの総数30枚ほど釣れたんです。釣れるときは下手な私でも釣れるもの。しかし釣れないときでも上手い人には釣れるものなんだとつくずく思った茅春です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
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へら浮子(へらうき)
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