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激流に流される

 
 


梅雨時期の終盤によく見られるのが、土砂降りの雨です。でもここ最近の梅雨はシトシト雨ではなく、台風のような豪雨です。これによって土砂災害で我が家を失うという悲惨なニュースが目に飛び込むたびに、当事者は大変だろうなと思います。
画像は仕事場の目の前を流れる清流『高原川』です。最近の大雨で水かさが増し濁流となっています。本来ならアユ釣りに賑わうこの釣り場もしばらくは釣りになりません。それより激流でかなりのアユが下流へ流れてしまったかもしれない。昔より岩場などの障害物が少なくなったので、アユも隠れようがないと地元の老釣り師はいつだったか言っていたことを思い出す茅春です。

川べりに立って見てると昔若いころ激流に流されたことを思い出します。
たしか大学2年生の夏だった。埼玉県にある大学で休みもなくバスケットに明け暮れていた時期です。8月の中頃珍しくバスケの練習がない日でした。休みの日を6畳3人部屋で過ごすのもつまらないということで、埼玉県の長瀞へ同級生3人で電車に乗って遊びに行ったのです。
長瀞は舟での急流下りが有名で激流の中、水しぶきを上げて下る姿は、岸辺で見てるだけでも爽快そのものです。
さて私たち3人はガンガン流れる激流のそばで甲羅干しをしていました。途中で買ってきたお菓子やジュースを頬張りのんびりと久しぶりの休日を存分に満喫し大満足の一日を過ごしていたのです。
しかし甲羅干しも3時間もすれば充分で、まして照りつける太陽で体が熱いことこの上ありません。私は2人を置いて一人で上流に歩き出し水に入れる場所を探し始めたのです。しばらく歩くと流れのゆるやかな場所を見つけました。私はとりあえず足だけでも水につけようと思いしゃがんで両足を膝あたりまで浸けたのです。さすが長瀞、暑さに悲鳴を上げていた足も漬けた途端に痺れるような爽快感が伝わってきたました。私はよせばいいのに太股のあたりも爽快感を味わいたいと思い両手を踏ん張りズルズルと腰を落としたのです。無事に太股も水に浸かりました。何ともいえぬ爽快感が一瞬にして脳まで伝わってきたその瞬間でした。濡れた石の上で踏ん張っていた私の両手がツルリ!と滑って見事に川の中に滑り落ちたのです。
ザブン!となっても私は冷静です。なんせ流れの弱い場所を選んだからです。すぐに這いあがれるだろうとたかをくくっていました。苦笑いを浮かべながら岸辺に手を伸ばす私です。しかし川に入ると意外と流れが強いことに気が付いた私は平泳ぎの足で必死に両手を差しのばします。しかしそんな努力もむなしく下流へ向かってどんどん流されていったのです。
次第に川の流れは激流となりました。岸辺に這い上がるどころか、もうなすすべもない状態です。とにかく顔だけは水面に出さなければと、それだけに神経を集中させました。波にもみくちゃにされながらも一瞬岸辺に佇む友人二人が目に入りました。私は両手を上げて『助けて!』と叫びました。それに気がついて友人二人は、驚愕の顔をして私に手を振っています。あとで聞くと私が手を振って遊んでると思ったらしいのです。二人は『あいつは勇気のある奴だ!』と感心もしていたそうです。ハハハ
話は戻って、下流へ流されながら私は骨の一本や二本で済めば良いと案外冷静に考えていました。途中で大きめの岩が目に入り、まともに激突したら死ぬと考え必死にその岩を両足で蹴り何度も危機を逃れました。どの程度流されていたかわかりませんが、奇跡的に下流の淀んだところまで無事に流されていた私です。
今でもその時の光景が目に浮かびます。ほんのちょっとの流れでも見た目とは違うもの。水って怖いものだと今更ながら思います。迫りくる岩を何度もする抜けたあの光景は一生忘れないだろうなと思う工房茅春です。へへへ



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