ホーム
サイトマップ
はじめに
制作ポリシー
管理池浮子1
管理池浮子2
野池ダム浮子
本漆塗り浮子
電気浮子
オーダーメイド
茅春浮子作品集
価格表
ご注文
浮子のレストア
制作工程ボディ
制作用具
茅春のブログ
茅春の独り言
ヘラウキQ&A集
BBS
Link
ヘラウキ(へらうき)ヘラブナ(へらぶな)

                                       

 
 

魚の釣り方。その三

 
 



先週末は三男のバスケの試合で東京に行ってきました。久しぶりの東京は暖かく気持ちがよかった♪金曜日に家を出て千駄ヶ谷の東京体育館に行く前に相模湖インターで途中下車。津久井湖の道志ワンドに寄り道したんです。旧橋桁のところでお二人の釣り人がいらっしゃいました。50歳過ぎのベテラン釣り師風でナイターに備えて釣りをしてるようです。話をしたかったんだけど、まだ道中だったんでそのまま乗車、目的地へ向かいました。
道志ワンドはまだハタキはなく静かな湖面でした。でも水位は十分あるから水温が上がったらハタキに入るかもしれませんね。釣れたかな〜〜?気になります♪さて今回で60年前の魚の釣り方 その三です。今日は棚に関して書いていきます。その後は道具やへら鮒の食べ方です。そうそう!お客さんの金田さんから先日メールを頂きました。お友達がへら鮒を食べるそうです。味はなかなかいけるそうで、詳しい食べ方を近いうちに聞きたいと思ってます。うんうん

棚〜へら鮒の棚はへら鮒に好ましい餌を慕って集まった泳層中の餌就き得る要素をもった泳層・・・それが棚となる。
例えば一軒の家を集団泳層とすれば、座敷にも縁先にも好みの場所に人がいる。それが、食いたくなれば食堂へ来る。つまり食堂が棚である。食うだけ食えば縁先で日向ぼっこすることもあろう。座敷で仕掛けをいじることもあろう。この座敷や縁先は単なる泳層ということになる。
陽気にもよるが、暖期は高い泳層の中に、寒期は低い泳層の中に餌就く棚ができる。ただしこの棚はうどんなり練り餌なりを用いて始めてできるもので、釣り人が各自作らねばならぬのである。なお折角作った棚もお守りの仕方一つでぼけてしまって散々たる釣果に終わったり、また精気を加えて貧弱な棚でも立派に生かすこともできる。魚はいっけん棚の恰好を作るが、これを本当の棚にするかは釣り人の腕にある。
陽気によって、深宙近くに泳層がある場合は深宙から地底までの間に、中層に泳層がある場合は中層に近い上下の範囲に、上層に泳層がある場合は上層から中層に近い間で〜〜その範囲内ならいつかは棚になる可能性があり、釣れる見込みがあるのである。
だが、実際はその範囲内のある一線の幅は集魚の率と風勢や水温の関係で一尺の場合もあり二尺の場合もあり、魚型一つを置きえる四、五寸の場合もある。従って水面から地底まで蚊柱のように集まっているというだけで釣れる棚とはならない。時に棚を離れて釣れることがあるが、これは棚ではなく、多くは単なる泳層中の餌馴れたものの一二がたまたま鼻先に止まった餌に踊ったもので、棚の要素が整はない限り単なる泳層で、成調の魚信を見ることはなく、また続く見込みはない。へら鮒の棚は陽気によって変化するがその変化の開きが一様ではない。
泳層の下回った寒期は変化する棚に開きも大幅ではない。かりに十尺の深度で下層に棚ができても水面下五尺の中層位まで高まることは希であって、多くは地底からその上一、二尺までである。朝昼晩と三回ほど、それも上下四、五寸のわずかな幅に過ぎない。
例えば二月中旬から三月上旬までの一時と、釣り期も終わろうとする十二月など霜を見る頃の陽気には、朝の内は地底で釣れ、陽の高まると共に地上五、六寸で釣れ、夕刻は再度地着きになる程度である。それに寒気で散り足も鈍いから相当量の群れであると、小一日同じ棚で釣れ続き釣果もグンと高まる。
この時期でも陽気によって気温があわただしく高まったり著しく低下したりすると、棚の変化も大幅に中層以上になることもあり、また地底をちっとも離れないこともある。
水温気温が高まると同時にへら鮒の活動も積極的になり、春秋天候の変わりやすい季節には棚の変化も飛躍して、朝昼夕は無論のこと、ある一定の棚で釣れ続いても、ふっと食い止んで棚が変わり、五、六寸も、時には一、二尺も高まったり低くなったりすることがある。また上層で釣れ続いても突然魚信が止み、跡形もなく散ってしまうこともある。春秋は棚の変化も烈しいが、寄り道も早いから、不自然に高すぎたり低すぎたりしない限り、待てばいつかはどの層でも食いたつ見込みがある。ただし積極的に釣る場合は想像する泳層中の棚を見いだすのが必要である。
夏期の泳層はだいたいが高い。事実上層に群泳を見ることすらあるが、さて釣りとなるとその群れへ餌を落としても食おうとはしない。尾鰭を立ててへら鮒は悠々餌を横目に避けてしまう。それが二十尺下の深宙か地底では盛んに釣れることがあるので、浮いてる魚は釣れないとの言い伝えが鵜呑みにされる。ただし食わないのは目に見えて目に見えて浮いている魚だけではない、地底のものも食うとは限らない。すなわち棚ではなく、単なる泳層というものがあるのである。
上層に浮いたへら鮒が餌を避けて二十尺下のへら鮒が釣れるのは夏期、人間と同様やきつける照り込みを避けて深みに避けたのであって、地合になると地底が棚になるのである。地合にならないと、群がるほど寄っても食わない。それが凌ぎやすい曇天や、照り込んでいても雲の流れが太陽を覆うとか南風がでて水面が波立つと突如上層または中層で餌へ躍りかかってくる。上層のカッツケで入れ食いに釣れることがあるのは浮いていたへら鮒であって、二十尺下から矢庭に駆け上がってきて食うものではない。
浮いている魚も軽視できない。浮いていて食わなかったのは上層の地合が整わなかった為で、釣れる棚とはならなかったのである。梅雨時期か初秋、希に陽気を食って浮いたものは別としてへら鮒の宙浮は絶好の棚となる前提であるから、浮いた魚は食わないというのは、へら鮒の場合は言い切れないのである。
上層がへら鮒にとって好ましい泳層となると、中層魚の特性として深底にばかりいついてはいない。感受性の高いへら鮒はよりよい泳層をもとめて、ゆっくりではあるが中層中層へと浮上する。わずか一尺浮いてももはや深底は棚ではない。寄ったが浮上しない場合は、残ったへら鮒がまだ、その棚で食うかそれもなくなると、外道が替わって登場する。マブナや鯉が釣れ始まるのはへら鮒が棚を変わった証明である。
陽気や天候による変化だけでなく環境から生ずる棚の変化クセなどいろいろある。道路や船道による環境では中層に棚にならない釣り場があり、金属音や木音をたてる工場などの付近の釣り場ではそれぞれ泳層や棚に特殊なクセができ、奔放に活動しうる環境のものと多少異なるのである。


次回はへら鮒釣りの道具です。さて60年前のへら鮒釣りはどんな道具を使ってたんでしょう♪竿とか気になるヘラウキは・・・茅は使ってたんだろうか。気になります。それでは次回をお楽しみに♪へへへ
NEXT
へら浮子(ヘラウキ)へら鮒(ヘラブナ)
へら浮子(へらうき)
へら浮子(へらうき)

へらうき(ヘラウキ)工房 茅春
 http://herauki.jp

へら浮子(ヘラウキ)へら鮒(ヘラブナ)