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魚の釣り方。その二

 
 
回遊へら鮒は中層魚だから、中層を活発に回遊できるような環境を好んで、湖沼でも河川でも多く深みを回遊する。浅場や細流で時に以外の好漁を見たり群棲を発見するのは産卵期か満水時に限る。
へら鮒の回遊は限られた範囲〜例えば一つの沼の中のみであり、それも季節による棲息場所と見られるものがあって、回遊面も局限されている。常に中層にいるからと深度と無関係の如く考えられるが、季節的深度によって四季を通じてその環境の最深部付近を回遊している。足もとのマコモや藻の陰で釣れるのは小物かせいぜい通り魚である。
それが産卵期や満水時はうってかわって手に届くあたりに群れて来て狂躍するので小竿で釣れたり、ヤスで突かれたりするが、理性を取り戻すと潮が引くように沖へ出て回遊圓に居着いてしまう。
午前中手がつけられないほど荒食いしても午後はケロリと魚信が無くなってしまうという場合がそれであって、回遊面へ届かない限り最早浅場で小竿では釣れない。回遊面の深度がへら鮒の棲息に適していても、たえず舟が往来するとか、道路に面していて車馬の交通激しく音響のため脅かされる場合は折角移動時に足を止めて他へ走る。それほど自由を束縛されることを嫌う。
奔放に活動できない環境では余儀なく浅場や深場を回遊することに慣らされて泳層にも際だってクセがあり、釣りに際して棚に一定の限界ができる。甲の沼では水面下五尺で釣れ、乙の沼では十尺以下では釣れない。また丙の沼は地底で釣れるが宙では食わぬというように、環境によってクセがある釣り場は至る所にある。
 
泳層〜へら鮒は川でも沼でも個々にいることは希で、静止状態の時はともかく、集団群泳することは他の中層魚と変わりない。この集団は棲息する環境によって幾群かに分かれる。その一群の構成が一年魚も三年魚も五年魚も大小の区別なく集まる場合もあるが、多くは一群一群が同年魚で構成されてるようだ。回遊面は季節により、または陽気によって一様ではないが、一年魚の好む水深三尺の深度が必ずしも三年魚が好むとは限らない。よって一群一群の回遊面は深度によって従って自ら異なる。
また類が友を呼んで同年別の一群一群が合同かされて回遊することもある。しかしその群泳の群れが一見雑然としていても、実際は行儀よく年齢別に集団されている。それは釣りに至っても見ても、五寸級が一回り釣れきると七寸級が釣れ始め、それが終わると九寸級が釣れる。またその逆を辿る場合もあるが、大小入り乱れて釣れることは殆どない。かく整然たる釣り経過から見てへら鮒の集団は無秩序な群魂ではなく、別年魚の集積が階層をなして集団化してることが容易にわかる。
集団の泳層は激しい自然の変化か外的脅威がない限り混乱することがなく、年齢別層を従順に回遊している。それが餌に近づいても無秩序に入り乱れて躍りかかることはない。彼たちは餌の落下地点から地底まで蚊柱のように螺集しても水面下三尺の七寸級が餌を追って五尺下へ降りるようなことはなく、五尺下の尺大級が矢庭に水面下近く駆け上がることもない。ただし頻〃と落下する餌に誘われると、食っても食わなくても餌の周囲を離れない。落下する餌が鼻先に止まっても必ず躍りかかるとは限らない。食うには食う条件が整なわないと食うことはしない。貧食極まりないへら鮒にも鐵のような頑固な一面がある。(佐藤垢石)
 
 
次回は棚に関してです。どうぞお楽しみに♪へへへ
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