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60年前のへら鮒釣り

 



佐藤垢石著の『魚の釣り方』は今から60年前に発行されたものです。私のオヤジが21歳の時始めて買った釣りの本です。淡水魚海水魚それぞれ釣り方を詳しく書いてある当時としては読み応えのある本だと思います。
この中のへら鮒釣りに関する部分を抜粋し書き写していきたいと思っています。原本は昔の書き方で今では表現が難しい部分があるのでその辺は私の見方で書いていきたいと思っています。

1,へら鮒について

我が国では一番大衆的な釣り物の鮒、いわゆるマブナが近年めっきり減少した。鮒の宝庫、霞ヶ浦や利根川を中心とした関東の水郷でも、年毎にマブナが少なくなり、もはや昔日のような釣果は望めなくなった。そしてマブナの代わりにへら鮒がうんと繁殖しているのである。なぜマブナが減ったのか。これにはいろいろの理由がある。水田に化学肥料の施行が増加し、石炭窒素などの成分が流出するからだという説もある。また雷魚のもの凄い繁殖からマブナが食われていくともいえる。さらにまた、へら鮒とマブナとの激しい生存競争にマブナが負けてしまったともいわれている。
へら鮒の生活力はマブナに比べて数倍も強い。へら鮒は3年で一尺内外に成長するが、マブナはわずかに3,4寸にしか育たない。したがってこの二種類の魚が同じ環境に置かれていればそこに激しい紛争が起こり、勢い適者生存、弱者衰退の現象となる。そこで鮒釣りはマブナ釣りからへら鮒釣りに変化せざるをえなくなったのである。
本稿はへら鮒釣りの権威土肥伸氏が長年苦心研究された結果を諸雑誌に発表された文中から、釣技に関する精髄を集録したものである。へら鮒釣りが近年の釣りであり、その参考書の如きも全然世に現れていない時にエキスパートの土肥氏から精密なる釣技研究を得たことは全国のへら釣り師の喜びであり、同時にこれからへら鮒釣りに入門する人々のよき指針となることを確信する。

へら鮒の形態は頭部から背肩にかけて急に隆起し、肩から尾部にわたって緩い勾配を描き、背部は同じ八寸のマブナに比べると約11,2ミリ高い。幅は扁平で口は短く、口の大きさはマブナより大きい。鱗は同鱗で大きく、一縦列で28枚から31枚ある。艶色は住む環境によってかなり違うが、頭部から背肩と尾部にかけては黒色で腹部は白色又は白銀色である。全体は菱形を描き、黒鯛に酷似するが黒鯛よりも容姿が整っていて美しく、一件理知的な相貌をしている。マブナはその形が異なるばかりでなく、感じも鈍重であどけない。その区別は容易である。なおマブナとへら鮒の相違をあげると、へら鮒は中層魚であって、酷寒静止状態の場合でも腹を地底につけてることはない。マブナは大抵が根魚で、中層も遊漁するが多くは地底にいて静止状態の時は泥中に潜むこともできる。したがって同一の環境に棲息していても艶色が異なりへら鮒は多く白銀色でありマブナは茶褐色である。
へら鮒の摂餌時期は暖期であって、夏期を中心に春秋に活発に活動する。釣季も主として春から晩秋まででこの間味品も高い。冬期のへら鮒釣りは殆ど不可能なほど不調である。マブナは晩秋の頃から旺盛な摂餌時期に入り、酷寒中も寒鮒釣りが盛んであるように食味も寒中がよろしい。食べて美味しいのは夏のへら鮒、冬のマブナということになる。(佐藤垢石著)

次回は『回遊層と棚』をお送りします♪それにしても真面目にへら鮒を食する時代もあったんですね。私も一度三枚におろして食べてみようかな・・・へへへ


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