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しまじろうの災難

 
 
 
 先週木、金、土と3日間相模湖に遠征(五宝亭)に行ってきました。とても楽しい三日間(ナイター)でほんと充実した日を過ごしたと思っています。釣果?それは後日お話しするとして、今回は遠征の中でのハプニングをまず始めにお話ししましょう。
 遠征三日目の朝神奈川のヤマちゃんと小湊さん(水先案内人)と合流、三人でファミレスに行って朝食を食べたり、釣りの話をしたりして楽しい時間を過ごしました。ちょうど一年前に会ってたので気も知れていて古くからの友人のようです。これからも大切にしていきたいと心から思う友ですね。うんうん
 さてもう一人初めて顔を合わす人がいます。それは東京から来たしまじろう(島田)さんです。今回はこのしまじろうさんが主人公♪
このしまじろうさんはへら釣り歴がまだ丸一年とまだ初心者の域です。それなのに猛者たちが集まるここ相模湖に入り浸りとは恐れ入りました。聞くところによるとヘラ釣りをする前までブラックバスにのめり込んでいたらしい。あまりにものめり込んでしまって山中湖畔に別荘を買ってる。いつでも泊まりがけでバス釣りに出かけられるからというのが理由らしい。去年の春先いつものように山中湖の平野ワンドでバス釣りをしているときふと目についたのがヘラブナ釣りでした。釣り人は舟の固定にミザオを利用して巨べらを狙っています。しまじろうさんはこの光景をバスボートの上から眺めていたところ『自分もやってみたい・・・ヘラ釣り』などという気持ちが芽生え始めたのです。そしてしまじろうさんは金に物を言わせて早々に道具一式を買い揃え、翌日には立派なヘラ師に変身していたのです。
山中湖平野ワンドに立つしまじろうさん。補足ですが会社経営40歳。180センチの長身に100キロ近い体重。頭はツルリと剃り上げピカピカ。口元にには長さ5センチはあろう立派な口髭が存在感を表しています。私は一目見た瞬間『七福神の大黒様…?』そう思いました。私だけ?いや!誰が見てもそう思うはず。そう信じてやまない茅春です。うんうん
さて、しまじろうさんは真新しいヘラ釣り道具一式を巨体に絡めボート屋さんに足を向けたのです。舟の料金を払い沖に出てさっそく巨べら釣りをはじめたしまじろうさん。心の中で『巨べらを釣りたい!』この気持ちだけで竿を振りました。見よう見まねで作った仕掛けに練りエサ。初心者が釣れるはずもありません。おまけに山中湖名物の強風です。ザブンザブン!と波を受ける小舟、船底に必死にでしがみ付く大黒様、いや、しまじろうさんです。結果は見えていました・・・が!なんという奇跡!舟に揉まれたしまじろうさん!死にもぐるいで竿を振り44センチを頭に数枚の型ものを仕留めてしまったのです。これに気を良くしたしまじろうさんは昨年の春別荘と平野ワンドを行き来する日々が続き約一カ月にして立派な巨べら師に仲間入りしたのです。たぶん・・・きっと・・・とりあえず・・・かな。へへへ
 
 さてさて前置きが長くなりました。しまじろうさんの災難は土曜日のお昼に起こったのです。朝早くからポイントにボートをつけたしまじろうさん、気合いが入っています。朝の7時から翌朝の7時まで24時間釣りをするという。実は私は夕方3時過ぎまで五宝亭の事務所で常連さんたちと話をしていたのでこの災難は翌日聞いたことです。詳細に聞きましたので文章と事実は間違いないと思っています。
話は戻って、青田の赤土に舟を留めたしまじろうさん。その周りには常連さんも数名います。そこへ船頭さんの清ちゃん、そして小湊さんとヤマちゃんがモーター船でやってきました。
しまじろうさんは朝7時から集中して浮子を見つめていたけど、お昼になるころにはヘラのアタリもないこの状況にすっかりと集中力を失っていました。時折釣れるのは二ゴイだけ。これではつまりません。勝負は夜だと気を持ち直したしまじろうさんはある遊びを始めたのです。ボートの近くにいる5匹の50センチ近いブラックバスに釣れた二ゴイを針掛かりさせたまま、待ち構えてるバスに向かって誘導し始めたのです。アユの友釣りの囮のごとく無理やり引きずられる二ゴイ。その二ゴイを追いかける5匹のバス。しまじろうさんはニコニコしながら自慢の高級17尺の竿で水面を引きずりまわしています。この光景を常連さんや清ちゃん、ヤマちゃん、小湊さんが見つめていました。そんなことも知らずしまじろうさんは10分もの間二ゴイをバスに追わせてもてあそんでいたのです。さすがの二ゴイもバテバテです。竿で引きずられるのとバスに追われる恐怖心で死にもぐるいで泳いでいたのですから。しかし二ゴイはとうとう精根尽きはて水面に浮かんで横たわってしまいました。
可哀想だからそろそろ針をはずしてやろうと思った瞬間災難が起こったのです。しまじろうさんが水面に横たわった二ゴイをひきよせようと思ったとき、音もなく大きいトンビがしまじろうさんの背後から急降下して横たわる二ゴイを両足で握りしめ、今度はバタバタと上空に飛び立とうとしたのです。しまじろうさんは上空に向かって飛び立つトンビに真っ向から竿を絞りました。なんてったって高級な竿です。『こら!まて!○×△!!*‘@!!』あとは声にならない叫び声です。清ちゃんはじめ一同はあっけにとられて見守っていました。空に向かって竿を絞るしまじろうさん。高級な竿は高いだけあって綺麗な弧を描いています。しかし竿を絞り切れず17尺竿から手を離してしまったしまじろうさんです。
トンビは対岸に向かって飛んでいます。両足には二ゴイそしてその下には糸のついた竿が垂直に立ったまま竿尻だけが水面をかすめながら空中を浮いています。対岸には友だちが舟をつけていました。その友達に向かって竿は垂直に立ったまま飛んできます。しまじろうさんは叫びました『竿を捕まえてくれ!!』友だちは向かってくる竿をつかもうと構えます。青田のワンドを横断する高級竿、それを見守る人たち。もはや釣りどころではありません。
しかし結末は意外にもトンビが二ゴイを離してしまったのです。竿の重みに異常を感じたのかそれともしまじろうさんの叫び声に恐れをなしたのかは定かではありませんが・・・
無事に水面に落下した高級竿。それを親切に拾い上げた船宿の清ちゃん。ひょいと竿を上げると竿がしなってます。なんとまだ二ゴイがハリ掛りしていたのです。
無事に高級竿を手にとるしまじろうさん。安堵の笑顔をしようにも、しばらくは顔が引きつって普通に戻らなかったらしい。なんともしまじろうさんにとっては災難の日。いや!本当の災難を受けたのはきっと二ゴイなのかもしれない。針をくわえさせられたまま引き回しにあい、5匹のブラックバスに全力で逃げ回ったのだ。おまけに鋭い爪でお腹を掴まれ空中散歩そして空中落下なのだからね。へへへ
 
翌朝私に話してくれたしまじろうさん。ヘラ釣り一年で一生に一度あるかないかの経験をしました。私が思うには50上釣るより貴重な体験だと思ってる。恐るべし『しまじろう』きっと大物の巨べら師になるに違いない。うんうん
さて次回は相模湖遠征に関して私のレポートを書きたいと思っています。たいした釣果ではありませんがお楽しみにね♪
 
 
 
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