冬の釣りというとすぐに思い出すのが横利根川の船釣りです。これはもう昔から冬の風物詩と知られベテランの釣り師なら知って名高い釣り場ですね。真冬でも活性がある川での釣りは情緒があり私も大好きな釣りです。しかし一方思い出すのは真冬の川に頭から落ちたことも忘れません。以前にも書いたことがありますが、1月2日の正月に多摩川で初釣りをしてるときのことです。自作の大型釣り台を車で運び足場の悪い所にセットしました。この日はとっても寒くて昼間もグルテンが凍るような寒さでした。そのまましばらく釣りをしていたんだけどどうも釣り台が安定しません。足はスライド式じゃなく不安定にならないように足先に大きめの石を噛ませていたんですがそれが原因らしい。
気になりながらも釣りをしてるとき、ガクン!っという衝撃と共に身体が前のめりになりました。石がはずれたんです『ガ〜!』っと短く叫ぶ私。スローモーションのように水面が近づいてきます。そしてついに頭から冷たい水の中に突っ込む私。ボコボコのダウンの上下を着ているためか水中で思うように身動きができません。必死に水中で一回転をして水面に顔を出しました。水辺にしがみつく私。しかしドン深ポイントのためなかなか這い上がれません。近くにいた釣り人が玉網を持って走ってくるのがかすかに見えました。必死の形相でなんとか這い上がってゼエ!ゼエ!と息をしながら周りを見回すと周りの釣り人がみんな集まってくれたんです。焚き火をしてくれる人や温かいコーヒーを差し出してくれる人。なかには着替えを持ってきてくれてこれを着て釣りをやりなよと言ってくれた人もいたんです。
今まで何度も初釣りに行ったけどこの年のように特別寒い思いと人の暖かさを感じたことはないな・・・なんて冬になると思い出す工房茅春です。