浮子師というお仕事は当たり前のことですが定時がありません。朝から夕方4時までみっちりやって、バスケの練習が終わる7時過ぎから夜中まで机の前に座りっぱなしとなります。毎日毎日浮子を作ってるんだけど全然苦痛じゃないんです。仕事なんだからといえばそれまでだけどね。でも好きな仕事でもときには嫌になることもあるはずです。自分で言うのもなんだけどつくづく浮子というよりへら鮒釣りが好きなんだなって思うこのごろです。
お客さんから頂いた仕様書を見ながら作るのは手間がかかります。規格品だけを作っていれば寸法や材料、作り方も決まってるので作業も簡単ですが、オーダー品は常に初めて作るヘラウキです。初めて作る物だから上手くはいかなかったというわけにはいきません。初めて作るヘラウキでもお客さんに気に入ってもらえるように作るのが浮子師だと思ってるからです。
何日も仕事場にこもっていると、たまに頭の回転が悪くなるときがあります。こういうときは決まって失敗する。簡単に修正できる程度の失敗なら良いのですが、ときに作り替えという大失敗もあるのです。
こんなときは車に乗って10分ほど走り山奥の川縁に行くことがあります。途中で買った缶ジュースとタバコと携帯灰皿を持って川縁に座る。サラサラと流れる水音だけが聞こえます。天気の良い日は冷たい水の中に足をつけてしばらくの間だ水音を聞き水の流れを眺めているのです。たった15分かそこらの時間ですが、結構気分がすっきりします。
都会ならネオン街に出没という手もありますが、ここ奥飛騨じゃそんなこともできないってのが現実かな・・・ハハハ
下の画像は先日黒鯛用の浮子を製作依頼されたものです。下塗りを終え水研ぎしてこの後は上塗りにはいるところ。ボディ16センチと20センチ(足含まず)ボディ径8,5ミリのものです。
茅春は黒鯛専門の浮子師??イヤイヤ!!ヘラウキ専門の浮子師です。へへへ