世の中には数え切れないほど沢山の趣味があります。
その沢山の趣味の中から私たちは釣りを選び、そして沢山の魚の中からへら鮒というチョビッとへそ曲がりな魚を釣ることに時間とお金を惜しみなく注いでいるのです。
へら鮒釣りの良いところは、一人でも楽しめることです。ゴルフや将棋囲碁と違って気ままに楽しめるのもへら鮒釣りならではですね♪
釣りをやらない人は私によく言います。釣りはお金がかからなくていいですねって。私はその都度ハイって答えます。でも意外とへら鮒釣りはお金がかかる。勿論必要最小限のお金でもできないこともないけど、へら鮒釣りを知れば知るほどのめり込んでしまい、高級な道具や釣行日数の増加などでサイフの中にお札が留まらないという状況に陥るのもへら鮒釣りなのです。
長いことへら鮒釣りに関わってきた私は沢山のへら師との出会いがありました。仕事もヘラウキ(へら浮子)の浮子師なので友だち関係もへら師が多いです。
へら師は他の釣りもそうなんだろうけど比較的短気な人が多い。昔から釣りする人間は気が短いと言うけどこれは確かに当たってる気がします。普段穏やかな顔つきでいても競技や長寸に関わる釣りとなったとたん目がつり上がり勝負師の顔になるのを見たことも多々あります。へへへ
へら鮒は食べずに釣り上げるまでのプロセスを楽しむものなので、釣り上げるための腕を競い合うのは必然的なのかもしれませんね。
ただへら師の悪いところもたまに見受けるときがあります。競い合う気持ちが高じて、同じクラブや友人に対して批判的になってしまうことなんです。人より沢山釣りたいという気持ちは誰にでもあることですが、結果的に人より釣れなかったりすると時折このようなことが発生します。
私も一時期は人より沢山釣りたいし上手いと思われたい気持ちがありました。でもあまり強く思いすぎると人間関係が悪くなることに気がついてから自然と競争心が薄れていったことも確かです。
浮子師としても当初は私は人よりも上手に作れると思っていたし、そうなりたいと強く思っていました。『当時は身の程知らずで、思い出すたびイヤになりますね』
しかし釣技と同じであまり競争心が強すぎると人の作ったへら浮子(へらうき)に対して批判的になるのです。
それぞれのヘラウキ(へら浮子)はそれぞれの浮子師が心を込めて作ったものです。それなのに競争心のためだけで批判的に見てしまう時期が私自身あったのです。
数年前からは不思議と過度な競争心もなくなりました。競争心はなくなったけど研究心は人一倍に増えた気がします。値段に関係なくプロ、アマチュアの作ったへら浮子(へら浮子)を見て良いところは良いで素直に認め、その良いところを自分の浮子作りに取り入れようと思っています。
良い浮子かそうでないへら浮子(へらうき)かを判断するのは制作者ではなく、あくまでも購入者であること。そのことを忘れないでこれからも頑張って作っていこうと思っています。
ありゃ!!趣味のお話から浮子師のお話に・・・すんません!!へへへ