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へら浮子の歴史ー其の伍

 
 
 
 
特殊トップのいろいろ
 
昭和30年代にはいると、ヘラマニヤの増え方は、正にネズミ算を思わせるものがあり、また、干拓や農地改良によって多くの釣り場が失われ、逆に魚は減少の一途をたどることになるのですが、特に大型がめっきり少なくなります。
このため、流れと掛から敬遠されていた利根本流の床釣りが注目され始め、しかも、大型が続々と記録されたことで、本流チャレンジ組が急増します。昭和35年頃のことです。
当然ながら、流れに対応するための仕掛けがいろいろと考案され、雑誌面をにぎわします。その中には、トップの上部の太さが5ミリもある極太の逆テーパーものも出現、石納、向津、篠原沈床を中心に、大いに流行したものです。これにヒントを得てか、37年頃、普通のテーパートップの逆付けが流行します。これは、丈夫が太く見やすい上に、アタリをとらえる下部が細いことからも、感度がいいはずと人気を集め、特に中場所以下の流れ川、土浦の桜川や、恋瀬川あたりで、かなり活用されました。
そんな時代を背景に、関山さんが利根本流用の極太逆トップ浮子を、直結式のオール羽根で製品化、トップがラッパのように先端部で広がっていることから、ラッパ浮子と命名されて、同じ37年に発売されました。また、逆テーパートップの改良型である流線トップも、同時に発売されたのです。
しかし、逆テーパートップは、どうもボディとトップの結びつきにアンバランスさが目立ち、人気が出ませんでした。又、本流の極太逆テーパートップも、流速には勝てず、しかも、風にたたかれやすくてアタリが取りにくいことから、次第に人気も薄れ始めます。
そんなときに、加瀬さんグループによる極細トップ旋風が吹き荒れ、トップは細いほど感度がいいという考え方が支配的となって、全ての極太逆テーパートップは消え去っていったのです。
ムクトップも、当初はかなりセンセーショナルな登場をしたトップでしたが、極細のソリッドトップが出現するにおよんで、その極細傾向に反抗するように、41年、穴あきアンドントップが登場します。
これも関山さんの考案によるもので、パイプの太さは3,5ミリという極太ものですが、浮子が立ち始めると同時にパイプの中に水が入るため、浮力はゼロ、すなわち、一種のムクトップとなるわけです。しかし、極細トップが流行し始めた時だけに報われず、いくばくもなく姿を消していったのです。
 
大型化するへら浮子(ヘラウキ)
 
近年こそ、3本合わせ4本合わせのへら浮子(ヘラウキ)は珍しくありませんが、山上湖の釣りが台頭してくる以前の昭和32年頃までは、30センチ級のものといったら大型浮子に属したものです。もっともボディとトップの比率が、今日と違って、トップが極端に短かった関係もあります。
浮子の大型化が目立ち始めたのは、河口湖(風がつよい)、西湖(ヤマベが強烈だった)、丹生湖(深場)の人気が高まってきた35年頃からで、特にこれを決定ずけたのが、37年に始まった、10メートルを超える相模湖・青田沖の深場釣りです。
この頃から、市販品にも山上湖用と銘打った全長36センチ以上、浮力3グラムもある浮子が姿を見せ始めたのですが、利根川の床釣り、特に今村や草林下流の深場釣りが人気を呼び、又、大橋沈床が改良されて6,7メートルの釣りが横行するにおよんで、全長50〜60センチの超長型の登場となるのです。
クジャクの羽根の太さは、一般的に6,3ミリぐらいが太い方で、6,5ミリ以上のものはごく希です。したがって、太く作るにも限界があったために、草林沈床の深場釣りが人気絶頂にあった42年には3本合わせが、続いて4本合わせが誕生してくるのです。
津久井湖から相模湖に落ちてきた大型ヘラで沸きだっていたのもこの頃で、大型浮子ほどアタリも大きくゴツン!とくると言うことから、凄まじい勢いで流行していきました。更に、これに輪をかけたのが43年に改良工事が始まった、石納新沈床の深場釣りです。ここは、流心とも言えるガンガン流れの場所を釣ることと、水深が8メートルはざらという超深場釣りだったため、一般的な浮子では通用するはずもなく、4本合わせの羽根浮子はもちろんのこと、バルサ材による浮力6〜10グラムの超大型へら浮子の出現となります。(丸山高広)
 
さて次回が最終回です。ヘラ釣りを楽しむ私たち。現在の道具をなにげなく使っています。長い年月を経て改良工夫されてきたことを考え、当時のヘラ師の功績に素直に頭が下がる思いです。
 

へらうき(ヘラウキ)工房 茅春
 http://herauki.jp

へら浮子(へらうき)
へら浮子(へらうき)