夜釣りで遭遇するもの　　　　　　　　　　

夜釣りは型もの狙いにとって無くてはならない釣法です。私も型もの狙いで相模湖や津久井湖に20年前から通っていますが夜釣りで遭遇するのは型ものへら鮒（ヘラブナ）だけでなく幽霊にも遭遇する事もあるのです。

かれこれ10数年前の2月のことです。津久井湖の沼本ワンドへ毎週のように通っていた時期がありました。当時好きだったポイントはテ○○コート下の太い木の脇でした。廃船が寂しく繋がれていてその横に明るいうちに用具をセットしいつものように夜に備えていました。

この夜はモジリもなくニゴイも釣れません。勿論へら浮子（ヘラウキ）はピクリともせずただ時間だけが虚しく過ぎていきました。夜中の2時頃になり水位も下がり今夜はもう諦めようと思っていたときのことです。

右側土手の上からかすかに鈴の音が聞こえてきたのです。『チリ、チリ、チリ・・』私は何気なく暗闇の中で聞いていました。きっと猫か犬だろうと思っていたのです。しかし実はそうじゃなかったのです・・・

耳を澄ませてその鈴の音を聞いていると不思議なことに静かに鈴の音が土手を降りてきたのです。チリチリチリと一定の音を出しながら降りてきたのです。足音や猫に付けられた音は一切無くシンと静まりかえった暗闇の中で鈴の音だけが移動しているのです。

私は胸の動悸が激しくなってきたのがわかりました。なぜならその鈴の音が静かに私の方へ向かってくるのがわかったからです。土手の上から静かに静かに私に向かって鈴の音が近寄ってくる。釣り台の後ろにある金網をすり抜けて竿を持ったまま恐怖で固まっている私の背後に鈴の音が近寄ってきます。とうとう背後2メートルぐらいだろうかその鈴の音は動きを止めてその場で鳴り続けたのです。『チリ、チリ、チリ・・・』まるで手に持って静かに鳴らしているようです。そして後ろを振り返ってと言っているようです。私は恐怖で後ろを振り向けず金縛りになっているようでした。喉がカラカラになりもう発狂寸前になったのです・・・

この後のことはあえて書きません。どうなったかご想像にお任せいたします♪しかしながら世の中不思議な事がたくさんあるものですね。

まあこれ以来そのポイントでは釣りをしたことが無くもっぱらワンドの奥で楽しんでいます。ハハハ♪